しふぉんけーき脂質

野球、ゲームと来たから今日のお題は経理的なお話で。
さすがにカテゴリが0ではさびしいし。

月次の固定資産管理で面倒なのは、やっぱり資本的支出かなぁ。
資本的支出というのは、簡単に言うと
たとえば製造現場の設備修理や部品取替えと行った名目で経費処理を行っても、
一定条件を満たすものは経費として認められませんよ、という話。
認められないものはその費用のうち全額は損金として計上することはできない。
一部例外を除いて、認められないものは固定資産として一旦資産計上し
減価償却費という形で数年に亘って費用化していくこととなる。

たとえば、耐用年数9年の設備の部品を500千円で買ったとしよう。
買ったときの仕訳は
   修繕費 / 預金 

とでもしておきましょう。
問題はこのあと。　この設備部品がどういった目的で購入されたかによって
修繕費のままで済むか、固定資産計上しないといけないかが変わってくる。
その部品が設備に組み込まれることによって、設備の性能がアップするって言うのは費用とは認められない。
いわゆる改造を意味し、固定資産の価値を高めることになるためだ。
じゃあどういう場合が費用として認められるのかというと
部品が壊れたから取り替えるだとか、予備部品として買っておくとか。
そういった、固定資産の価値を高めるわけではなく、原状回復の為ならば費用でいいというわけだ。
例えば先ほどの部品を耐用年数2年の工具として固定資産計上しようとすると、振替仕訳を起こした後

工具器具備品 / 預金

といった仕訳を起こすことになり
耐用年数である2年に亘って費用化していくことになる。

今年度
　減価償却費 250,000 / 工具器具備品 250,000 (直接法の場合です)
次年度
　減価償却費 249,999 / 工具器具備品 249,999 (1円は残さないとダメなんだな)

経費にしても固定資産にしても、結局費用化できる金額全体は変わらないけど
その年の税金算出に響いてくるのでお役所も結構うるさい。
実務では経理担当者が資本的支出の判定を行うのだが
本当に判断しにくいものもある。
今日も修理の案件で400,000円の支払修繕費が生産技術から検収されてきたので
一度は形式基準で経費の判定を行ったが
いざ中身を聞いてみると修理というより改造というべきものだったので固定資産に振替えることに。
逆に実質基準で無理やり経費にしてしまうこともできなくはない。
壁の塗りなおしに1,000千円かかったら、形式基準では600千円未満の修理までしか経費処理できないが
原状回復というとで実質基準で判定し経費にしてしまう、ということもある。

と、まあ同じ「修理！」でも、内容によってかなり会社の支払う税金は変わる可能性があるので
設備とかを検収する生産技術の人は、検収報告をするときはできるだけ詳しく内容を書くと経理部の人が喜びます。

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